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- シサン フサイカン ノ セツメイ カノウセイ : ソウセツ
- Shisan fusaikan no setsumei kanosei : sosetsu
- Significance of asset and liability view : introduction
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20世紀の後半から, 会計は大きな変革に直面したが, その変革は, 一般に, 「収益費用観から資産負債観への転換」というキーワードによって表現されている。しかし, そうであれば, 収益費用観と資産負債観という二項対立の本質が, 理論的に究明されなければならないはずである。しかるに, わが国の会計学界においては, そうした究明が, なされているとは筆者には思われないのである。すなわち, もっぱら, 収益費用観によればかくかくの処理になり資産負債観によればしかじかの処理になるといった議論, あるいはある処理がFASBあるいは国際会計基準のどの条項から導出されるのかといった議論しかなされていないのである。しかし, これでは, FASBあるいは国際会計基準の追随学とは言えても, とうてい, 理論的検討とは言えないであろう。 本稿以下では, こうした問題意識のもとに, 第1に資産負債観の導入によって, 会計事象が本当に合理的に説明されるようになったのかにかかわる問題, 第2に収益費用観・資産負債観という二項対立が, 本当に論理整合的に概念規定されているのかにかかわる問題, そして第3に収益費用観・資産負債観と測定規約の基本的枠組との関係(収益費用観・資産負債観が測定規約の基本的枠組においてどのような位置を占めているのか)にかかわる問題の3点を検討するが, まず第1の論点を俎上に載せることにしたい。 本稿では, そのための予備的考察として, 収益費用観・資産負債観の概念内容を筆者なりに明らかにしておこう。この点, 一般的な見方によれば, 収益費用観は, 企業の主体的な損益産出活動による損益に関する計算方式であるのに対して, 資産負債観は, 市場変動による損益にかかわる計算方式と理解されているようである。しかし, こうした概念内容では, 現実に生じている会計実践の変容を合理的に説明できないし, また二項対立として論理的に成立するとも思われない。 そこで, そうした通説と対比させて, 収益費用観を価値生産活動の損益に関する計算方式, 資産負債観を資本貸与活動の損益に関する計算方式という二項対立を提起する。そして, 以下では, このふたつの見方を対比しながら検討することにしたい。 本稿では, ①計算擬制項目(繰延資産・負債性引当金)の是正の問題, ②有価証券への時価評価の導入の問題, ③機械等への時価評価の導入の問題, そして④資産除去債務の計上の問題の4点を論ずるが, まず貸方項目を取り上げる。すなわち, 特別修繕引当金, 製品保証引当金, および資産除去債務に関する資産負債観の説明能力の問題を, 順次検討する予定である。
論文
Journal
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- 三田商学研究
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三田商学研究 54 (1), 1-20, 2011-04
慶應義塾大学出版会
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050564288897919616
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- NII Article ID
- 120004442547
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- NII Book ID
- AN00234698
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- ISSN
- 0544571X
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- NDL BIB ID
- 11202421
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- journal article
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- Data Source
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