「割りかけ回収」制度と日本の防衛力整備 : 1950年−1985年

HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • "Forward Expenditure System" and Japan's Defense Buildup : 1950-1985
  • 「割りかけ回収」制度と日本の防衛力整備--1950年-1985年
  • ワリカケ カイシュウ セイド ト ニホン ノ ボウエイリョク セイビ 1950ネン 1985ネン

この論文をさがす

抄録

防衛庁・自衛隊は創設から半世紀を経た。わが国は,軽軍備国家・経済大国路線を維持しているが,自衛隊の任務・役割は,冷戦後の日米安保再定義により大きな変更を迫られた。対テロ戦争以降,自衛隊は自国領域の「専守防衛」と極東の範囲を超え,インド洋での連合軍後方支援やイラク人道復興支援活動といった「海外派遣」を拡大している。自衛隊の活動が領域外に拡大してきた背景として,日本の防衛力整備の拡張が考えられるが, それは「割りかけ回収」と呼ばれる装備調達制度の存在なしには有り得ない。本稿では,「割りかけ回収」制度による防衛力整備の過程を検討し,同制度が効率的な防衛力整備を可能とするだけでなく,(1)財政民主主義上問題を内包し,(2)防衛費GNP1%枠を仮象化し,(3)防衛費の透明性の喪失をもたらしていることを明確にする。対象の時期については,日本の防衛力整備が開始された1950 年から,同制度の役割に画期が見られる1985 年までとする。

収録刊行物

  • 經濟學研究

    經濟學研究 55 (3), 33-54, 2005-12-08

    北海道大学大学院経済学研究科

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ