宣撫班本部編『日本語會話讀本』の文献学的考察 : その成立過程をめぐって

HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • A philological study of "Nippongo Kaiwa Tokuhon" edited by the Japanese Military Placation Squad : About the editing process

この論文をさがす

抄録

小論は、日中十五年戦争期の大日本軍宣撫班編纂教科書『日本語會話讀本』について、中華人民共和国北京市档案館で新たに発見された巻本を既存の巻本と対照し、それらの校異を明らかにしつつその成立過程を考察したものである。その際、特に書体・字形の異同、表紙・裏表紙の相違、誤記・誤植、中でも表音式表記の崩れに注目し、各巻・各版の成立時期を推定した。その結果、1)初版は満鉄系宣撫官によって執筆・刊行されたが、他の版は一般公募による宣撫官によって改版・刊行されたこと、2)北京市で発見された版は第四版で、宣撫班解散後に中華民国新民会に引き継がれて改版・刊行されたこと、3)『巻一(第四版)』のみ改版作業に中国人が関与した可能性があること、4)『巻二』の第三版と第四版は同じ印刷者によるもの、の4点が推定された。最後に今後の課題として、中国人の関与に関するさらなる検討と史料探索の継続の必要性を述べた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050564288961714816
  • NII論文ID
    120003059587
  • NII書誌ID
    AA11172014
  • HANDLE
    2115/45647
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

問題の指摘

ページトップへ