若者ことばに見る(間)主観化について : 「大丈夫」の新用法に注目して

書誌事項

タイトル別名
  • On Subjectification and Intersubjectification of the Youth Language: Focus on the New Use of Daijoobu
  • ワカモノ コトバ ニ ミル カン シュカンカ ニ ツイテ ダイジョウブ ノ シンヨウホウ ニ チュウモク シテ

この論文をさがす

説明

「断り表現」として用いられるようになった「大丈夫」の「新しい用法」に注目して、「大丈夫」の意味機能の歴史的変遷を明らかにし、現在の新用法をその変化の過程に位置付けることを目的とした。分析に当たっては、語用論的意味変遷のプロセスとして「文法化」「主観化」「間主観化」を援用した。まず、『日本国語大辞典』(小学館)の用例によって「大丈夫」の意味変遷をたどり、「大丈夫」が明治期までに二度の「主観化」を起こしたあと、「聞き手の懸念を打ち消す」という配慮表現となって「間主観化」を起こしていることを示した。次に、現在の「断り表現」としての用法を検討し、「大丈夫」が「聞き手の気遣いを辞退する」表現となって、相手の主観性にいっそう配慮した意味機能をもつようになったことを論じた。これは、話者の間主観性がより強まって、「大丈夫」が新たな「間主観化」の段階に進んだことを示すものと考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ