翻訳を読む楽しみ:太宰治『人間失格』における「のです」のドイツ語訳について

抄録

筆者は数年前から、日本語で書かれた文学作品を、そのドイツ語訳と対照させるという作業に取り組んでいる。日独両言語の発想や好まれる表現のちがいの確認を目的として始めたことであったが、この作業を通して、よく知っているつもりの日本語の作品が新しい姿で立ち現れ、それまで気づかないでいた新たな面白みを発見することもしばしばである。 これまでに、よしもとばなな、川端康成、三島由紀夫の作品を取り上げてきたが、今回は太宰治の『人間失格』を、その独特の語り口に注目して扱ってみたいと思う。

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日本独文学会研究叢書, 85号, 2012.10, Page 77-94

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