大学におけるクリティカルシンキング教育 ―その現状と課題―

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タイトル別名
  • ダイガク ニ オケル クリティカルシンキング キョウイク : ソノ ゲンジョウ ト カダイ
  • Issues in Theory and Practice of Teaching Critical Thinking to Japanese University Students

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抄録

本稿では大学教育におけるクリティカルシンキング(CT)の議論について考察する。CTの概念は、従来の論理主義がフェミニストや批判的リテラシーからの批判を受けて、新たな概念が模索、形成されつつある。日本の大学では昨今、CT教育の必要性が強く言われながら、CTの概念や教育の内容、方法に関する議論が広く共有されているか不明の点も多い。日本の学生がCTを学ぶことは困難ではないかという議論も存在する中、現在、日本のCT教育研究者間では、日本の学生がCTを育成・発揮する際に文化的価値観が抑制要因となるとされ、それを考慮した「協調型CT」や実践方法も提案されている。日本の学生に対するCT教育実践は試行錯誤の段階だが、CT教育には良き学習者・市民としての思考力を鍛え、さらには社会を批判的に見て変える力が育成される可能性がある。また、英語教育における実践からも、社会を問い直す複眼的なCT教育の可能性が示唆される。

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