多角化企業の利潤分析 : 多角化ディスカウントの寡占理論による説明

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タイトル別名
  • タカクカ キギョウ ノ リジュン ブンセキ タカクカ ディスカウント ノ カセン リロン ニ ヨル セツメイ
  • An Analysis of Profitability of Conglomerate Firms: An Explanation of Conglomerate Discount in Oligopoly Theory

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抄録

企業が多角化経営を行う際,非効率性が生じて多角化企業の株式評価が低下する現象を,多角化ディスカウント(diversification discount)と呼ぶ.本論文では,寡占理論の基礎的な考え方を用いて,多角化ディスカウントの現象に対して簡単な説明を行う.複数の製品差別化財市場が存在する状況でのクールノー数量競争を考え,市場間合併による企業多角化の結果,多角化企業の各市場での企業利潤が,非合併企業の利潤よりも減少することを示す.この結論は,多角化企業の非効率性によって生じるのではなく,代替財市場間の相互作用を考慮した上での,多角化企業による適切な生産調整の結果として生じる.従って,多角化ディスカウントの実証研究で多く採用される比較分析手法である,多角化企業と多角化しない専業企業とを単純比較する方法は,必ずしも適切ではないことが示唆される.

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