肝内結石・総胆管結石症に併存した肝内胆管癌の1例

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タイトル別名
  • ショウレイ ホウコク カン ナイ ケッセキ ソウタンカン ケッセキショウ ニ ヘイソン シタ カン ナイタンカンガン ノ 1レイ
  • A Case of Hepatolithiasis and Choledocholithiasis-Associated Intrahepatic Cholangiocarcinoma

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抄録

症例は74歳, 男性. 肝内結石・総胆管結石症に併存した肝内胆管癌の診断で根治切除目的に当科紹介された. 肝障害度C (血清 T.bil 値 1.8mg/dl, 血清 Alb 値 2.4g/dl, ICG15分停滞率41%) であったが, 本例は結石に起因した胆汁うっ滞による肝障害であり肝硬変は伴っていないと判断し, 胆道再建を伴う拡大肝左葉切除術を施行した. 術後肝不全は認めず退院となった. 本邦では, 術前ICG15分停滞率を基準として肝切除術式を決定しており, 本例のICG15分停滞率からは核出術が適切な肝切除術式と判断されるが, 本例のように肝硬変非併存で胆汁うっ滞が原因の肝障害の場合には, 必ずしもICG負荷試験値が肝予備能を正確に反映しているとは限らないことが示唆される. 非肝硬変症例における肝切除術式選択の際には, 病態を考慮した上で不良なICG負荷試験値を解釈し肝切除術式を決定する必要がある.

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