中間管理者のマネジメント能力向上への支援のあり方 : マネジメントラダー認定結果からの考察

この論文をさがす

抄録

質の高い看護サービスを提供するために、各部署をマネジメントしている中問管理者の役割は大きくその能力の向上が課題である。A病院の課長職は、係長職である看護師長・副看護師長の育成の一端を担っている。平成20年4月より、中間管理者のマネジメント能力の向上を目的に、マネジメントラダーを導入した。そこで、私たち課長職は、ラダ一認定結果を有効に活用し、中間管理者の能力向上の支援を行いたいと考えた。今回研究目的を、管理者のラダ一認定結果から、課長職として中間管理者のマネジメント能力向上のための支援のあり方を明らかにするとし、研究を行った。研究対象は、A病院中間管理者のラダ一認定者63名。研究方法は、A病院で作成したラダ一評価表に、最新のラダ一認定結果(1から4で評価)を記載してもらい、レベル別・能力毎・評価項目毎に単純集計し、平均3.1(SD)以下の項目を明らかにした。さらに、能力向上への支援の示唆を得るために「松下博宣の5つのコンビテンシーと20項目」を用い、各項目に必要とされるコンビテンシーを研究者6名の合意により抽出した。結果、回収35名(回収率56%、有効回答率97%)。レベル110名、レベルIll2名、レベルIl:[11名の結果をデータとした。ラダ一評価が低かった能力は、レベルIIでは『看護の質評価・改善』、レベルIIIでは『目標管理』『教育・研究』『倫理』であった。ラダ一評価が低かった項目のコンビテンシーは、思考力に関する専門性、分析的思考力、情報志向性、概念化であった。A病院の中間管理者の能力を高めるためには、「思考力に関するコンビテンシー」を引き出し、部署目標設定時、評価時に個々の能力に応じ、問題解決プロセスに必要なスキルと達成志向性が強化できるように支援することが重要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ