新採用者を指導する看護職員の行動変容の実態;研修受講後のアンケート調査の分析

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抄録

A病院看護部研修委員会では 「OJTとの連携を図り、キャリア開発を支援する」という任務のもと、集合研修の企画・立案・運営・評価を行っている。研修の効果を測定する方法のモデルとして「カークパトリックの4 段階評価」がある。A病院の研修では受講後のアンケートでレベル1 (受講者の研修に対する満足度) 、研修後レポートにてレベル2 (研修を通して得た知識の理解度) の測定を行っている。しかし、研修効果測定段階レベル3 (行動変容度) の測定は行っておらず、研修生が研修内容を実務で活かして行動しているか否かは明らかになっていない。 そこで研修後の行動変容の実態と行動変容の促進要因との関係を明確にしたいと考えた。今回、新採用看護職員指導者フォローアップ研修(以下フォロー研修) 後の行動変容の実態と行動変容の促進要因との関係を明らかにすることを目的に、研究を行った。対象者は平成23年度看護職員指導者研修を受講し平成24年度新採用看護職員指導者フォローアップ研修に参加した研修生31名。 研究方法はフォロー研修受講直後と受講3 ヵ月後に「新採用看護職員指導者の役割」の達成状況(行動変容) と行動変容を促進させる要因に関してアンケートを行った。研修直後と3 ヵ月後の「指導者の役割」の達成状況を、上昇した群と上昇しなかった群に分類し比較した。また【職場の雰囲気】【上司】【職場での支援体制】【受講者】の促進要因別の合計点を上昇した群、上昇しなかった群で算出し比較した。 さらに【受講者】の4 つの細項目について上昇した群と上昇しなかった群の合計点を算出し比較した。結果、有効回答数15名 (有効回答率48%) であった。その約半数がフォロー研修3ヵ月後に行動変容していた。研修後の行動変容には【受講者】の促進要因が影響している可能性があると考えられた。

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