【研究ノート】電力資本のビジネスデザインと沿線地域のコミュニティデザインとの止揚・融合―発電所軌道が“擬制鉄道”に変身した山梨県・早川軌道の事例を中心に―

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  • 【Research Note】Assimulation or Sublating between Business Design by Power Company and Community Design; Hayakawa Track, “Fictive Railway” Metamorphosed from Private Track for Hydraulic Power Plant

抄録

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企業等が自己の貨物運搬等のために敷設する自家用の専用軌道は正規の鉄道たる“真正鉄道”とはほど遠く、低規格の粗末なトロッコ同然の“虚偽鉄道”にすぎない。しかし山梨県・早川軌道では早川電力のダム建設のための電力資本のビジネスデザインが、従前の河川舟運の代替交通手段を要求する沿岸各村のコミュニティデザインと激突、幾度にも及ぶ交渉の結果、両者の構想の融和点を見出して止揚・融合して自家用発電所軌道が住民の生活物資や住民移動手段としての“擬制鉄道”に変身した。当沿線に天下の秘湯・西山温泉があり、背後に秀麗な赤石山脈の高山を控える景勝地の故に、松永安左エ門をはじめ、数多くの登山家・湯治客に利用された観光鉄道ですらあった。

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