無保護糖の直接活性化を基盤とする糖誘導体及び糖質材料の合成研究

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タイトル別名
  • Synthesis of glycosyl derivatives and glycomaterials based on direct activation of unprotected sugars
  • 受賞論文 無保護糖の直接活性化を基盤とする糖誘導体及び糖質材料の合成研究
  • ジュショウ ロンブン ムホゴ トウ ノ チョクセツ カッセイカ オ キバン ト スル トウ ユウドウタイ オヨビ トウシツ ザイリョウ ノ ゴウセイ ケンキュウ

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抄録

糖誘導体及び糖質材料の化学合成において,保護基の使用は自在な分子設計を可能にする有効な手段である。しかし,操作の煩雑さや収率の低下,適応可能な基質が限られるなど今なお課題は多い。本総説では,水中での無保護糖アノマー位の直接活性化による糖誘導体の保護基フリー合成,及び得られた糖誘導体を用いた糖鎖高分子の合成や包接超分子ポリマーの創製について紹介する。糖誘導体の保護基フリー合成は,水溶性脱水縮合剤2-chloro-1,3-dimethylimidazolinium chloride(DMC)を用いることで無保護糖から1,6-アンヒドロ糖,糖オキサゾリン誘導体,グリコシルアジド,チオグリコシドなどの有用糖質化合物を一段階かつ高収率で合成することに成功した。さらに,得られたグリコシルアジドとクリックケミストリーを組み合わせることにより,シアロ複合型糖鎖にも適用可能な糖鎖高分子の保護基フリー合成法を開発した。また,ポリ-L-乳酸などの疎水性高分子の末端にマルトオリゴ糖を導入し,ホスホリラーゼを触媒とするつる巻き重合を行うと,新奇なアミロース包接超分子ポリマーを合成することに成功した。

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