ヒノキ人工林の間伐強度に応じた下層植生の種組成と種多様性

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タイトル別名
  • Relationship between thinning intensity and diversity and composition of understorey vegetation in a Japanese cypress plantation
  • ヒノキ ジンコウリン ノ カンバツ キョウド ニ オウジタ カソウショクセイ ノ タネ ソセイ ト タネ タヨウセイ

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抄録

これまで継続的に調査してきた標高が異なるヒノキ人工林の試験地で、下層植生を調査し、間伐強度と下層植生の関係を、種組成とその多様度や自然度に着目して比較した。出現したすべての植物を本来の生育地を推考して3つに区分し、解析項目毎にその割合を調べた。本数間伐率(以下、「間伐率」という。)が高いと植生高は高くなり階層構造が発達して各階層の植被率も上がった。75%の間伐は、施業後に多くの遷移前期種が侵入し13~15年を経てもその優占が続いていたが、巻き枯らしによる75%の間伐では遷移前期種の侵入をある程度抑えていた。25%、50%の間伐では、低木層に優占度の高い種が存在し、標高が上がるにともなってその種類が変化した。今回の試験地の調査結果では、生物多様性保全機能の高い遷移後期種の豊富な下層植生を維持するための間伐率は、25~50%の間に適正値があると推測され、自然植生の構成種の特性から見ると、その値の中で常緑樹林域では低く、夏緑広葉樹林域では高い間伐率が望ましいことが示唆された。

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