『古事記』における「桃子」の力

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  • コジキ ニオケル モモノミ ノ チカラ

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説明

本論文は『古事記』上巻・伊耶那岐命の黄泉国訪問譚に登場する「桃子」について考察を試みたものである。先行研究において「桃子」とは「桃の実」であり、桃には鬼や邪気を払う呪力があるとする漢籍からの影響が指摘されている。しかし、先行研究で挙げられている桃に関する漢籍の用例は、桃の樹木や桃の木で作った杖や符や弓矢を用いて邪気を払うとするものがほとんどで、管見の限り「桃の実」をもって邪気を払う用例は見出せない。では、なぜ『古事記』は果実である「桃子」を用いて追っ手を追い払うのだろうか。本論文では、この問題について『日本書紀』にみえる類話との差異や漢籍における桃に関する記述を視野に入れ検討した。

収録刊行物

  • 日本文学論集

    日本文学論集 43 1-11, 2019-03-15

    大東文化大学大学院日本文学専攻院生会

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