社会参加の当事者としての定住外国人―地方に定住するフィリピン人のボランティアの意味の検討から―

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  • Foreign residents as civic participants: the meaning of volunteering for Filipino residents in regional Japan

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抄録

地方に定住する外国人が運営するボランティア活動が、自らのコミュニティを形成するだけでなく、定住地の地域社会で認められ、受け入れられる過程において、当事者のボランティア活動に対する考えはどのように関与するのか。本稿は、進行中の質的調査から定住外国人がボランティア活動に付ける意味を検討し、社会参加の当事者としての定住外国人を市民的関与の議論に位置付ける。調査の対象は、地域及び近隣の県に住むフィリピン人と日本への移住を希望するフィリピンの若者への支援活動を行ってきたボランティア団体である。ボランティア活動は市民的関与(地域社会への政治的、社会的、道徳的な関心と働きかけ)を示す行動として位置づけられる。本稿は外国人の地域社会への参加を社会的形態(ボランティア活動)と政治的形態(アクティヴィズム)とに分け、ボランティア当事者の道徳的関心(活動を正当化する理由)が象徴する差異の出現を集団形成の事例として検討する。事例の検討から、外国人の雇用を進める日本の地域社会と連携した外国人団体のボランティア活動の複合的意義を本稿は探る。

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