中山間地域に適した飼料作物不耕起栽培技術の開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of no-tilled farming techniques of grass crop suitable for the semi-mountainous area
  • ナカヤマ カン チイキ ニ テキシタ シリョウ サクモツ フコウキサイバイ ギジュツ ノ カイハツ

この論文をさがす

抄録

中山間地域において、イノシシ等の獣害を考慮した飼料作物二毛作栽培に不耕起対応高速播種機(以下、不耕起播種機)を利用し、低コストで省力的な不耕起栽培体系および除草剤による雑草防除について検討した。1 不耕起二毛作栽培に用いる草種として、中山間地域で高収量を得られるソルガムおよびライムギを供試した。2 不耕起播種機で播種したソルガムとライムギは播種深度および株間の標準偏差は小さく、播種速度も1.5~2.0m/秒であり、高速高精度の播種が可能であった。また、播種量も散播栽培よりソルガムで約85%、ライムギで約28%播種量が削減できた。3 ソルガム、ライムギの組み合わせによる不耕起二毛作栽培の年間乾物収量は最大で約2t/10a以上を確保することができた。4 不耕起栽培により、耕起から鎮圧までの作業時間を従来の散播栽培より約7割削減できるとともに、10a当たりの播種コストを約20,000円削減できた。5 ソルガム雑草防除体系として播種前にグリホサート剤、播種後にアトラジン剤を併用散布することで不耕起1年目では雑草を抑制できたが、不耕起の連続栽培では除草剤の効果が低いイネ科雑草が増加した。6 中山間地域に適した飼料作物不耕起栽培技術として、ソルガムとライムギを不耕起播種機を用いて播種することで、散播栽培と同等の年間乾物収量2t/10a以上を確保でき、作業時間の短縮とコストを大幅に削減できることが示唆された。しかし、雑草防除には課題が残り、継続検討する必要があった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ