再び“The Winding Road to the Double Helix Structure of Amylopectin Molecule” : アミロペクチンにDouble Helix構造の仮説を提案するまでとそれ以降

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タイトル別名
  • Again “The Winding Road to the Double Helix Structure of Amylopectin Molecule” : Till proposing a hypothesis of double helix structure to amylopectin, and since then
  • フタタビ"The Winding Road to the Double Helix Structure of Amylopectin Molecule" : アミロペクチン ニ Double Helix コウゾウ ノ カセツ オ テイアン スル マデ ト ソレ イコウ

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説明

1940年代に始まった近代澱粉科学で発表された基本的なコンセプトは澱粉研究の著しい発展に寄与してきた。しかし30年近く経過して,新しい研究手法が出現した1960年代後半になると,種々疑問に思われることも現れてきた。その一つは1940年にK. H. Meyerによって提案された有機化学的な手法で決定されたアミロペクチンの分岐点を含む樹状構造では説明できない現象が見られるようになった。この点を修正するモデルとして,金属鎖を用いたモデル構築をもとに二國の房状model(1969),及び酵素法で分岐点の微細構造を解析した結果に基づくFrenchのCluster model(1972)が提案された。現在定量的な視点が加えられているCluster modelを基本とする構造研究が主流として進んでいる。また,筆者がFrench教授の研究室に留学した際の最初の会話で「澱粉は何故沈むか?」という質問に端を発したNaegeli amylodextrinを用いた結晶構造の研究から,澱粉の結晶区分にKainuma-French Double Helixの構造を提唱した際の実験及び結果の検討の詳細を述べた。更に透過型電子顕微鏡観察をもとに澱粉粒の成長リング内でクラスターの配列と結晶の配列の関連をまとめた貝沼モデルを発表したが,近年著しい発展を遂げている澱粉の生合成分野との連携で,まだ解決していない構造研究に新しい光がさすことを期待している。

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