当科における認知症入院患者の動向

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室蘭市は全国の平均と比べ高齢化率が高く、市立室蘭総合病院精神科(以下、当科)でも認知症患者の診療を数多く経験する。今回、平成19年3月1日から平成24年2月29日までの5年間に当科に入院した患者のうち認知症の診断名がついた169例の入院目的・在院期間・入院経路および退院先について、診療録を後方視的に調査した。入院目的は、認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:以下、BPSD)に対する治療が5割以上と最も多く、次いで身体合併症治療が約3割を占めていた。退院先は、他の医療機関が最も多く4割近くであった。その目的は身体管理、BPSD 治療、進行した中核症状への対応などであった。当科は一般病院の精神科として、特に身体合併症を有する急性期の認知症患者への対応が求められていることが示唆された。今後、認知症に対する各医療機関の機能を明確化・重点化することが重要であると考えた。

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