定時制教師はいかにして行なうべき実践の方向性を再解釈してきたのか --ミッションの再帰性の視点から--

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  • 佐川, 宏迪
    京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • How did the Part-Time High School Teachers Reinterpret the Direction of Practices to do? --From the View Point of the Reflexivity of Mission--
  • テイジセイ キョウシ ワ イカニ シテ オコナウ ベキ ジッセン ノ ホウコウセイ オ サイカイシャク シテ キタ ノ カ : ミッション ノ サイキセイ ノ シテン カラ

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説明

本稿では, 勤労青少年の教育機関としての役割を縮小させて以降の定時制高校において, 教師たちは行うべき教育実践(=ミッション)をどのようにして再解釈してきたのかを明らかにすることを目的とする. 先行研究は定時制高校が勤労青少年の教育機関から多様な生徒を受け入れる場へと転換したことを明らかにしてきた. 定時制教師らは生徒の状況が変容していくなかでどのように学校現場のリアリティを把握して実践の方向性を変化させたのか. 本稿では, この点を都立定時制教師による研究会の機関誌に掲載された語りの分析から検討した. 検討の結果, 勤労青少年など「定時制生徒」のイメージを参照できなくなることにともなって, 定時制教師らのミッションは生徒集団を対象とした学習指導の範囲内から, 生徒の生活面など個別性にも配慮したリカバリーやサポーティブな場のデザインへと拡張されていったことが明らかになった. すなわち, 教師らの教育実践のロジックは集団的な学習をどう進めるのかという「学習指導のロジック」から, 個人の生活をどう支えるかという「個別支援のロジック」へと転換していったのである.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 28 1-14, 2019-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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