韓戊淑文学の出発点 : 日本語小説『灯を持つ女』を通して

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タイトル別名
  • The Starting point of the Literature of Han Moo-Sook : Through a Study of “Woman Holding a Lamp” in Japanese
  • 韓戊淑文学の出発点 : 日本語小説『灯を持つ女(ひと)』を通して
  • カンボシュクブンガク ノ シュッパツテン : ニホンゴ ショウセツ 『 トモシビ オ モツ オンナ(ヒト)』 オ トオシテ

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抄録

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韓戊淑(1918-1993)は1948年に『역사는 흐른다』が『国際新報』の懸賞小説に当選したのち活発な創作活動を展開したことから、これまで『역사는 흐른다』が登壇作とされる一方、解放前の1942年、『新時代』社が募集した懸賞小説に応募して当選した『등불 드는 여인』を登壇作とする論評も見られた。しかし後者の場合、ただ当選の事実を述べるにとどまり、作品の内容には触れられていないばかりか、作品の存在さえも確認されていなかった。それは作品が公に発表されず、韓戊淑が解放後の随筆において記した『등불 드는 여인』というタイトルと、その当選以外に何も知ることができなかったからである。 その『등불 드는 여인』は2000年になって影印本が作られ、それが『灯を持つ女ひと』というタイトルの日本語小説であったことが明らかになった。しかしその後も日本語小説であること2 、影印本が自筆原稿419枚(400字詰)を印刷、製本したものであって解読が難しいこと3 などの理由により、作品内容の紹介、研究には至っていなかった。そのような状況の中、韓戊淑は1947年に朝鮮語で『등잔불 드는 여인』という小説を書き始めていたことも明らかになった。 本稿では『灯を持つ女』の内容を中心に、韓戊淑の創作活動の原点について探る。

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