決済方法の多様化と企業マーケティングへの視座 ─キャッシュレス決済はマーケティングに有用か─

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説明

世界規模でキャッシュレス化が進行し、我が国でも政府をあげて積極的に推進している。日本人は現金志向が高く、主たる決済手段は依然として現金であるが、対応店舗の増加やポイント還元などの後押しもありキャッシュレス利用は近年着実に増加し、今や企業戦略上決済方法をどのように位置付けていくかが重要課題として問われるほどである。今後はキャッシュレスに対応していないことが集客機能の減退や販売機会の損失につながっていく可能性があり、導入を怠ることは企業にとってリスクとなる。しかしキャッシュレス導入・推進と業績との因果関係の測定は容易ではなく、また今後キャッシュレスが浸透すれば決済方法だけでの差別化は難しくなるだろう。肝要となるのは決済方法多様化への注力ではなく、顧客基盤の有効活用やコミュニケーションのあり方であり、企業においてはその中でキャッシュレスをどのように位置付けるかを検討していく必要がある。

収録刊行物

  • 事業創造大学院大学紀要

    事業創造大学院大学紀要 11 (1), 51-64, 2020-04

    新潟 : 事業創造大学院大学事業創造研究科事業創造専攻

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