大村湾における有害渦鞭毛藻Heterocapsa circularisquamaの秋冬季出現状況と培養株の増殖特性

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  • Blooms and growth characteristics of a harmful dinoflagellate Heterocapsa circularisquama in Omura Bay, Japan from autumn to winter

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抄録

冬季大村湾でのH. circularisquamaの出現は,本報告が最初の記録になる。出現時の水温は,9.7-17.3℃の範囲にあった。室内実験では,10.0-17.5℃で増殖が認められ,最終細胞収量は197-127,433 cells mL-1,比増殖速度は0.04-0.39 day-1の範囲であった。12.5℃,塩分32の条件下の最終細胞収量は10,000 cells mL-1を越えたことから,本株は冬季でも漁業被害を及ぼす高密度赤潮を形成するポテンシャルを有していることが判明した。また,7.5℃の実験区では,増殖は認められなかったが,分裂現象が観察された。これまで,10℃以下では本種の培養は困難と考えられていた。今回の現場観測と培養実験に基づくと,本種の低水温側の増殖下限値は7.5-10℃の範囲にあると考えられた。

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