水稲・小麦二毛作体系ほ場におけるリン酸,カリ肥料の削減が収量・品質に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of long-term reduction of phosphate and potassium fertilizer in rice-wheat double cropping system field
  • スイトウ ・ コムギ ニモウサク タイケイ ホジョウ ニ オケル リンサン 、 カリ ヒリョウ ノ サクゲン ガ シュウリョウ ・ ヒンシツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

非火山灰土壌の水稲・小麦二毛作体系ほ場でワラを還元している条件において,リン酸またはカリを5年間継続して削減した場合の影響について検討した。リン酸の削減では,5年間の削減により,土壌中の可給態リン酸は14~26mg/100g乾土から7~9mg/100g乾土に減少した。小麦作では,作付け前の可給態リン酸のレベルが低い場合に,リン酸施用量を慣行から削減した栽培で減収となることが明らかになった。品質には影響が認められなかった。収量と可給態リン酸の関係から,作付け前の可給態リン酸が10mg/100g乾土を下回ると,リン酸を50~100%削減した小麦作では慣行より8~12%程度減収すると予測された。水稲および小麦の品質や水稲の収量には明確な影響がみられなかった。カリの削減では,小麦・水稲ともに,交換性カリが少ない場合にカリを100%削減するとカリの吸収量が少なくなった。収量・品質には明確な影響は見られなかった。慣行施肥では交換性カリの集積がみられ,最大で3mg/100g乾土から19mg/100g乾土へと増加した。リン酸,カリの施肥量を長期削減すると,土壌中の可給態リン酸や交換性カリ含量が変化することから,持続的な農業を展開するためには,3年に一度は土壌診断を行い,土壌中の養分動態を把握しておく必要がある。

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