サーチ理論による労働市場政策の評価

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Labor Market Policy based on Search Theory
  • サーチ リロン ニ ヨル ロウドウ シジョウ セイサク ノ ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

労働市場政策の効果については, サーチ理論を用いることで検証が可能である. 本論文はMP(Mortensen-Pissarides) version をベースとして, 日本を念頭に置いたcalibration に基づくシミュレーションを行うことで, 雇用保護立法, 雇い入れ補助金, 雇用補助金, 賃金課税, 失業手当置換率等の失業率に与える効果を検証した. 解雇税を課すことは雇用創出を抑制するものの雇用喪失を抑制するため, 失業率を低下させる. 解雇税を財源として雇い入れ補助金を支給することで両者の相乗効果を期待できる. 雇用補助金は失業率低下に有効であるが, 財源を何に求めるかの議論が必要である. 失業手当置換率の引き上げは失業率を上昇させる. これは雇用者の税負担を高めることにつながるため, 慎重に取り扱うべきものである. 労働市場政策は一つの政策を取り上げて可否を検討するのではなく, 他の政策や税負担との整合性を考慮する必要がある. また, マッチングの効率性向上は失業率低下に効果的な手段であり, 職業紹介機能向上についての議論が必要である.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ