抗カルシウムチャネル抗体と臨床

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Lambert-Eaton 筋無力症候群(LEMS)は,肺小細胞癌を高率に合併する傍腫瘍性神経症候群の代表例である.一方,患者血清IgGによる動物への疾患移送が証明され,重症筋無力症と同様に自己抗体によって発症する神経筋接合部疾患でもある. 1995年, ω-conotoxin MVIICを用いた抗P/Q型VGCC抗体測定法の開発によって,この抗体がLEMSの80%以上に陽性であることが示された.これは, P/Q型VGCCを標的とする自己抗体が, LEMSの発症に重要な役割を果たしていることを示唆する所見である.しかしLEMSでは,陽性率は抵いもののP/Q型以外のVGCCあるいはVGCC関連蛋白であるシナプトタグミンに対する抗体も存在する.これらの中で,神経筋接合部での障害を引き起こしているのは何であるのかを明らかにすることが, LEMSの病因解明につながる今後の課題でもある.

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