大村湾内小アジの魚群組成

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タイトル別名
  • オオムラワン ナイ ショウアジ ノ ギョグン ソセイ
  • Observation on the grouping of young Jack mackerel in Ômura-Bay

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抄録

大村湾内において,豆アジがsize compositionを異にする三つの集団を形成していた例をあげ,その原因は無機的環境要因によるものではなく,主に湾内天然餌料生物の不均一分布に由来する豆アジの摂餌本能から来る成群反応又は自己運動によるものと解釈した.主要な餌となつていたのは,Lucifer ray., Leptochela sp., Calanopia spp,, Pontella sur., Cyprid-ina noc.の順で,三群団中最も大型のAがLuciferの最も濃密な区域に集まり,これを飽食していた.このように形成された灯付魚群(イワシ類.小サバ,小アジなどの小型魚)は,深夜には集魚灯を中心として密集して游泳緩漫となり,余り他に移動しない.これを灯付魚群の深夜緩動現象"Midnight dor-mant state of lamp attracted fishes"と称したい.同時に漁獲されたマイワシ,カタクチイワシ,コノシロ,イボダイなどは,アジに比して摂餌量が非當に少ないことが注目された.又魚種によつて食性がかなり異なり,本調査時においてこれらの魚の種間の摂餌競争は著しくなかつたものと推測した.

長崎大学水産学部研究報告, v.6, pp.60-67; 1958

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