低圧酸素海水中におけるアコヤガイの酸素消費量と貝殻運動

書誌事項

タイトル別名
  • テイアツ サンソ カイスイチュウ ニ オケル アコヤガイ ノ サンソ ショウヒリョウ ト カイガラ ウンドウ
  • Relation between the oxygen consumption and the shell movement of the pearl oyster, Pteria martensii, in the sea water of low oxygen tension.

この論文をさがす

抄録

To obtain basic data useful for culture-technique as an adequate measure against the red water, an experiment was carried out by the authors in September 1965 on the oxygen consumption and shell-opening and -shutting, using 2-year-old pearl oysters. Effect of low oxygen tension was observed at a value less than 1.5~1.0cc/L, but the vital effect appeared at a value less than 0.2cc/L.

酸素消費量と貝殻運動とから,アコヤガイと低圧酸素水との関係を検討した.水面を流動パラフィンでおおう方法には欠点もあるが,両者の関係を考える場合その結果を一応の目安とすることは出来るものと考える. 1) 酸素消費量は,環境水中の溶存酸素量が1.5~1.0cc/L程度までは,ほぼ一定の値を示して相関関係は認められず,それ以下になって急減する. 2) 貝殻運動の顕著な変化は,環境水中の溶存酸素量がそれぞれ1.5~1.0cc/L, 0.5cc/L, 0.2cc/L程度以下にそれぞれ低下した時にみられ,1.5~1.0cc/L程度で開閉の振幅が大きく頻度が急増し,0.5cc/L程度でやや振幅は小さくなり,さらに0.2cc/L程度以下になると長時間の閉殻がみられ,時間経過につれて順次大きく開殻する傾向がみられた. 3) 上述の結果から,低圧酸素の影響は1.5~1.0cc/L程度からみられるが,致命的な影響は0.2cc/L程度以下であらわれるものと推定し,真珠養殖における赤潮対策について論じた.

長崎大学水産学部研究報告, v.21, pp.139-144; 1966

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ