アサガオの長尺仕立てによる新たな植物装飾素材の開発

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タイトル別名
  • Development of new ornamental decoration method for morning glory grown with long-term training
  • アサガオ ノ チョウシャク シタテ ニ ヨル アラタ ナ ショクブツ ソウショク ソザイ ノ カイハツ

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抄録

草本つる性植物であるアサガオについて,盛夏期の装飾植物としての利用拡大を図るため,ひも誘引による簡易仕立を実証し,地植えとプランター栽培での長期観賞性と生育推移を把握した。5月に播種し7月に地植えした「暁の紅」と「団十郎」は,「スカーレットオハラ」と「ムラサキ」に比べ定植後の草丈伸張が緩慢だが,「暁の紅」は主茎から側枝開花への移行が早く,第一花開花始以後に順調な開花数増加を示した。また,地植えした「スカーレットオハラ」は,自重による加重負荷や種子飛散の懸念があった。長尺仕立てポット苗をプランター栽培して,ひも誘引すると高さ約2mまでの装飾に活用できることが確認された。盛夏期の装飾植物を生産するには,品種と播種日の選定,および側枝管理も含めた仕立て法の工夫が重要である。加えて,播種日の選択は開花期の早晩を決定するだけでなく,主茎長や主茎着花量,主茎開花から側枝開花への連続性に影響を与えることが示唆され,品種別に播種日を決めることが望ましい。また,長尺仕立てポット苗を定植せず,そのまま装飾材料として利用する方法を検討した。使用後には可燃ゴミとして処分できる紙製のポットともみがらくんたんを培地に利用することにより,慣行の約半分まで軽量化でき生育も良好に維持されることが確認できた。アサガオ,ひも誘引,長尺仕立てポット苗および使用後に可燃ゴミとして全量廃棄できるポットと培地を組み合わせることで,盛夏期に和風を感じさせる短期・局所的利用に優れた新たな植物装飾材が開発できた。

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