予冷時間等の違いがミカンコミバエの卵及び幼虫の低温殺虫効果に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of pre-cooling rate and other factors on the mortality of eggs and larvae of Bactrocera dorsalis (Diptera: Tephritidae) in cold phytosanitary treatment

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低温処理の予冷時間の違い(温度下降率)等がミバエの発育ステージの殺虫率に与える影響を調査した。ミカンコミバエの各発育ステージ(卵、1齢幼虫、2齢幼虫、3齢幼虫)の寄生した人工飼料、オレンジ生果実及び各発育ステージをオレンジ果汁とともに入れたプラスチックシャーレを異なる予冷時間(5時間、25時間)で26℃から2.0℃に低下させた後、低温処理(1~12日間)し、殺虫率を比較した。裸虫のまま低温に曝されるシャーレの試験結果から幼虫はゆっくり冷やされる間に低温耐性を得ていると考えられた。一方、人工飼料やオレンジでの試験結果では、必ずしも予冷時間が長い区の殺虫率が低くなっておらず、予冷時間の長さやミバエを寄生させるものにより、殺虫効果への影響が異なることが考えられた。また、いずれの予冷時間でも、オレンジでは3齢幼虫、プラスチックシャーレでは2齢幼虫が最耐性ステージであったが、人工飼料では最耐性ステージは明確ではなかった。これらのことから、予冷時間の違いは最耐性ステージの決定には影響しないことが示唆されたが、最耐性ステージがミバエを寄生させるものにより異なったことから、基準開発では生果実を用いて最耐性ステージを決定する必要があると考えられた。

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