多孔質体中の水分浸潤に対するクリノスタットが作る微小重力条件の評価

書誌事項

タイトル別名
  • Applicability of clinostat for simulating water infiltration in porous media under microgravity
  • タコウシツタイ チュウ ノ スイブン シンジュン ニ タイスル クリノスタット ガ ツクル ビショウ ジュウリョク ジョウケン ノ ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

水平浸潤実験は重力勾配の存在しない条件下における水分移動を抽出し観察する実験であり,従来は微小重力下における多孔質体中の水分移動を模擬できると考えられていた。ところが,実際に宇宙ステーションで行われた実験の浸潤速度は,地上における水平浸潤速度と比較して小さいことが報告されている。したがって,水平浸潤実験は真の微小重力環境を模擬できておらず,地上で微小重力下における多孔質体中の水分移動を模擬するためには,水平浸潤実験に代わる実験方法を模索する必要がある。本研究では,微小重力下における多孔質体中の水分移動の模擬を目的として3Dクリノスタットの適用性の評価を行った。3Dクリノスタットによる擬似微小重力下において豊浦砂,関東ローム,0.05mmガラスビーズへのそれぞれの水分浸潤実験を行い,同様の材料を使った水平浸潤実験の浸潤速度と比較した。豊浦砂に比べて透水係数の小さい関東ロームや0.05mmガラスビーズでは,重力浸透の影響が見えなくなり,Washburn式の関係が確認された。しかし,3Dクリノスタットによる浸潤速度は水平浸潤実験の結果と一致したが,微小重力下の宇宙ステーション実験で確認されたような浸潤速度の低下は確認できなかった。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ