岐阜県中山間地域における「コシヒカリ」の良食味米生産を可能とする栽培管理技術の開発

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タイトル別名
  • Development of cultivation techniques for good taste rice "Koshihikari"
  • ギフケン チュウサンカン チイキ ニ オケル 「 コシヒカリ 」 ノ リョウ ショクミ ベイ セイサン オ カノウ ト スル サイバイ カンリ ギジュツ ノ カイハツ

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抄録

岐阜県内中山間地域で栽培される「コシヒカリ」は、食味が良く市場評価が高い。しかし、近年は産地間競争が激化しており、一層の良食味米生産に取り組む必要がある。そこで、県内中山間地域の「コシヒカリ」の更なる評価向上のため、食味の指標として注目されている食味値と味度向上に有効な栽培技術の検討を行った。生育初期の基肥の施用量が食味に与える影響は少ないが、生育後期の追肥(穂肥)の施用量を減らすと玄米中のタンパク質含率が減少し食味値が向上した。移植時期を遅らせ、出穂期を後退させると、登熟期間の気温が低下し、味度が向上する効果が示唆された。その効果は年によって異なるが、5月下旬移植が適期だと考えられた。また、同一栽培年において移植時期が異なると登熟期間の日照時間が変化することで、食味値が変化する傾向が見られた。登熟期に圃場への水のかけ流しを行うと、水温、地温が低下し、食味値、味度が向上することが推察された。ただし、かけ流しの効果が見られない年もあったため、かけ流しの効果は栽培年の気象等に左右されると考えられた。刈取り時期の違いによる食味値への影響は少ないが、味度は刈取り時期によって変化する可能性があると考えられた。

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