福岡県在来シマサルナシ(Actinidia rufa)の実生はキウイフルーツの台木として活用できる

書誌事項

タイトル別名
  • The native Fukuoka shima sarunashi (Actinidia rufa) is exploitable for kiwifruit rootstock
  • フクオカケン ザイライ シマサルナシ(Actinidia rufa)ノ ミショウ ワ キウイフルーツ ノ ダイギ ト シテ カツヨウ デキル

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説明

キウイフルーツの安定生産を図るために,八女市黒木町で栽植されている福岡県在来シマサルナシの実生の台木としての特性を検討した。現地の連作ほ場において,シマサルナシの実生台木(以下,シマサルナシ台木)と「ヘイワード」実生台木(以下,慣行台木)に「ヘイワード」を接ぎ木して各7樹供試した。その結果,慣行台樹は接ぎ木後5年間で7樹中4樹が枯死したが,シマサルナシ台樹では枯死がみられなかった。また,台木の違いが「ヘイワード」の樹体生育と果実品質に及ぼす影響はほとんどみられなかったが,結実3年目から5年目の単位樹冠面積当たりの累積収量は,シマサルナシ台樹で慣行台樹より多い傾向であった。ポット苗を供試した乾燥処理試験の結果,シマサルナシ台「甘うぃ」は慣行台樹より低い枯死葉率と高い根の呼吸速度を示した。以上の結果より,福岡県在来シマサルナシの実生台木は,連作ほ場において枯死することなく収量を確保でき,慣行台木より強い耐乾性を持つことが確認され,キウイフルーツの台木として活用可能と考えられた。

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