滋賀県在来の赤カブの起源種と系譜

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タイトル別名
  • シガケン ザイライ ノ アカ カブ ノ キゲンシュ ト ケイフ

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抄録

滋賀県在来の12品種の赤カブは,肥大根が紫赤色(アントシアニジンとしてシアニジンを含有,5品種)のカブと朱赤色(ペラルゴニジンを含有,7品種)のカブに分けられる。前者は湖東に分布し,後者は湖北・湖西北部に分布している。シアニジン含有カブは,信州(現長野県)から持ち込まれた‘木曽紅カブ’が‘信州カブ’として定着して起源種になり,これに兵主カブ(絶滅種,近縁種として聖護院カブがある)が交雑し,‘日野菜カブ’,‘矢島カブ’,‘大藪カブ’ができ,さらに‘日野菜カブ’から‘北之庄カブ’ができたことが推定された。ペラルゴニジン含有カブは,紫赤色カブの突然変異によってできた朱赤色の‘小泉カブ’が起源種になり,これから‘入江カブ’,‘赤丸カブ’,‘万木カブ’などの多様なカブができたことが推定された。例外的に,‘山カブ’は福井県若狭地方の朱赤色カブの後代種と推定された。

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