臨床心理系大学院生の学びでの傷つきに関する質的研究

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  • A qualitative study on injuries in learning of clinical psychology graduate students
  • A qualitative study on injuries in learning of clinical psychology graduate students

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抄録

本研究では,臨床心理士を目指す大学院生の,学びに関する場面での傷つきにまつわる体験に焦点を当て,大学院を修了するまでの内的な変容プロセスについてのモデルを生成することを目的とした。5つの臨床心理系大学院(第一種指定)を修了した10名を対象に半構造化面接を実施してデータを収集し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて質的に分析した。その結果,臨床心理士を目指す大学院生は初期に,《臨床心理学文化の入り口に立つ》ことを経験する。ケースの開始と共に《ケースに出る未熟さ》と直面する。中期では〈限界を許せずに抱いてしまう怒り〉などからなる《未熟さから起こる学びの滞り》や,〈構造が守られないことから生まれる傷つき〉が起こる。終期では,《時間経過による不安と焦り》を経験する。また,〈自己変容へのストレス〉などからなる《深化する自己内省に伴う痛み》を経験し,大学院を修了する過程が示唆された。

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