米中経済対等化と中国の新世界秩序形成

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  • ベイチュウ ケイザイ タイトウカ ト チュウゴク ノ シンセカイ チツジョ ケイセイ
  • US-China Economy Stand at Parity : Do China's Belt and Road Break the World Order ?

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現代世界秩序の中軸たる米中関係が最悪の事態を招き,世界の地政学的混乱を深めている。2020年には,『フォーチュン』誌世界500社に占める企業数で中国企業が米国企業を上回る。「二〇世紀はアメリカの世紀」(同誌創立者ヘンリー・ルース)が「二一世紀は中国の世紀」へと推移しようとしているかに見えるが,米国首脳部は,中国の台頭を許さず,「力づく」でもこれを阻止しようと「新冷戦」を覚悟している。中国の指導者は,経済力・技術力に加え軍事力を伴って世界一を達成する「中国の夢」を追求する。建国一〇〇年の2049年までには世界一の強大国たるべく,中国の新世界秩序=「一帯一路」を推進し,米国の世界秩序に挑戦する。米国は中国との「経済(技術)分断」(ディカップリング)と新中国包囲網(インド太平洋構想)の構築で中国を封じ込めようとし,中国は戦略物資の備蓄・軍事力展開で対抗しようとしている。筆者が若き日に師事していた石橋湛山・元総理大臣は「中国が目覚めて巨大化する先は必ず帝国化して米露と対決するだろうから,アジアにおける日中米露の平和同盟が必要」と主張,周恩来首相との会談でも合意していたことを念頭に本稿を書き上げた。

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