日本憲法見込案に関する考察-立志社憲法案における人権保障と防衛構想-

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タイトル別名
  • ニホン ケンポウ ミコミアン ニ カンスル コウサツ -リッシシャ ケンポウ アン ニオケル ジンケン ホショウ ト ボウエイ コウソウ-
  • Human Rights and the Military in the Risshisha Constitution Draft (Nihonkenpo Mikomian)

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抄録

明治前期に作成された私擬憲法のうちで,植木枝盛の日本国国憲案(東洋大日本国国憲案),千葉卓三郎らの五日市憲法草案(日本帝国憲法)と並んで,民主的な憲法案として有名なものに,立志社の日本憲法見込案がある。日本憲法見込案は,この三者の中では一番評価が低いようであるが,しかしこのような評価が妥当なものであるかどうかについては大いに疑問の存するところである。そこで,本小論では日本憲法見込案の諸原理のうち,もっぱら人権保障と防衛構想を取り上げ,その特色と問題点を明らかにするとともに,同憲法案が今日の観点からどのように評価されるのかについても考察した。結論として,日本憲法見込案は一部に重大な問題がみられるものの,国民の人権を徹底的に保障し,また君主の軍事権限に制限を加え,戦争を抑制しようとするなど,他の私擬憲法にはみられない独創的な内容であることが明瞭となった。

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