連携中枢都市圏とスピルオーバーに関する実証分析

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タイトル別名
  • Empirical Analysis of Collaboration Between Municipalities and Spillover
  • レンケイ チュウスウ トシケン ト スピルオーバー ニ カンスル ジッショウ ブンセキ

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本稿では,スピルオーバー指標を通勤・通学データから新たに構築したうえで,連携中枢都市圏の形成要因を実証的見地から分析した。その結果,次の点が明らかになった。まず,連携中枢都市および連携市町村ともに,自地域から他地域へのスピルオーバーが大きい場合には,連携中枢都市圏の形成インセンティブは低下していた。この理由は,自地域から他の市町村へのスピルオーバーの程度が大きければ,他の市町村との連携を行うと自地域の公共財負担がさらに大きくなる恐れがあるからと思われる。また,連携市町村候補のなかで,人口の小規模な市町村ほど連携中枢都市と連携していた。人口の小規模な連携市町村は隣接する大規模な市町村で充実した公共サービスが提供されている可能性が高いため,連携中枢都市圏を契機にフリーライドしようとしていると考えられる。さらに,連携中枢都市圏の総人口に対する積立金現在高が多い連携市町村ほど,連携を契機に他市町村との自前の財源のコモンプール化を回避するため,連携中枢都市との圏域形成には慎重であった。

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