モンシロチョウの蛹の寄生昆虫に関する研究

機関リポジトリ オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • On some pupal parasites of the common cabbage butterfly, Pieris rapae crucivora, in Kagawa prefecture, Japan

この論文をさがす

抄録

香川県におけるモンシロチョウ蛹の寄生性昆虫とその活動の概要を知るために, 本年(1968)5月から10月にかけて調査委研究を行い次のような成績をえた : (1) モンシロチョウ蛹を攻撃する寄生昆虫として, 本年はコキアシヒラタヒメバチ, キアシブトコバチ, アオムシコバチ, およびヤドリバエ科の1種の計4種を確認した. (2) もっとも高い寄生率を示すのは初夏の候であったが概してキアシブトコバチ, 次いでコキアシヒラタヒメバチの寄生率が高かった. しかもこれらは, 山地寄りの地方ほど高い寄生率を示した. けれども, アオムシコバチの寄生率は山地, 平地ともそれほど高くなかった. (3) キアシブトコバチとコキアシヒラタヒメバチはまったくの単寄生を示したが, アオムシコバチは高度の多寄生を示した. しかして, アオムシコバチの寄主における頻度分布は, 重複ポアソン分布の一般式にかなりよく適合する傾向がみられた. (4) ヤドリバエ1種は708個体中ただ1頭の寄生蛹から2頭脱出したのみであった. したがって蛹の天敵としての役割は比較的低いものと思われる.

収録刊行物

  • 香川生物

    香川生物 4 10-12, 1968-12-01

    香川生物学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ