香川県沿岸におけるベラ科魚類3種の分布パターン

機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Geographical distribution patterns of three species of Labrid Fishes along the coast of the Seto Inland Sea in Kagawa, Japan
  • カガワケン エンガン ニ オケル ベラカギョルイ 3シュ ノ ブンプ パターン

この論文をさがす

抄録

香川県沿岸の78地点でベラ科魚類3種(ホシササノハベラ,キュウセン,及びホンベラ)を釣りによって採集しそれらの分布パターンを調査した。ホシササノハベラは,県西部の荘内半島近辺では採集されなかったが,キュウセンとホンベラは県内ほぼ全域で採集され,ホシササノハベラの採集速度(≒生息密度)の分布パターンは,キュウセンやホンベラのそれとは異なった。一方,キュウセンとホンベラの採集速度の分布パターンは異ならなかった。ホシササノハベラの採集速度は溶存酸素量と負に相関し,四国本土よりも島嶼部で高かった。キュウセンとホンベラの採集速度は水温と正に相関したが,四国本土と島嶼部で採集速度に差はなかった。これらのことから,ホシササノハベラと他のベラ科魚類2種の生息場所は若干異なることが考えられるが,3種とも節足動物や軟体動物を主な餌としていたため,同所的に生息する3種間には餌を巡る競争が生じている可能性が高いことが示唆された。

収録刊行物

  • 香川生物

    香川生物 40 35-42, 2013-06-03

    香川生物学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ