A Portrait of the Artist as a Young Man における自己と社会の関係

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  • Portrait of the Artist as a Young Man ニ オケル ジコ ト シャカイ ノ カンケイ

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抄録

ジェイムズ・ジョイスの『若き芸術家の肖像』の主人公スティーヴン・ディーダラスは,幼い時から自分が他の子供達とは違っていることを意識していた。彼は自分の内面だけに興味を持ち,魂が絶えず求め続けているものを見極めたいと願い,社会に対してはまったく関心を示さなかった。ところがスティーヴンの社会に対する態度が一転する。変化が起きたのは,魂が希求しているものをスティーヴンが見出した時であり,彼が求めていたのは美を創造することであった。それまでとはうって変わって,この時から彼は社会に眼を向け,社会を源泉として芸術を創りだすようになる。無関心から関心へと,社会に対する態度ががらりと変わるのである。この変化は何によってもたらされ,スティーヴンはどのような意図を持って社会へ飛び込んでいったのか。作品が書かれた 20世紀初めのアイルランドというコンテクストの中で,ジョイスが語らなかったこの空所を読んでいく。

自己

社会

周縁化

自己表現

アイデンティティ

identifier:DO002800006290

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