高齢者を中心とした社会を創る学びの広がり : 岡山県の中山間地吉井町の事例

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  • コウレイシャ オ チュウシン ト シタ シャカイ オ ツクル マナビ ノ ヒロガリ オカヤマケン ノ チュウサンカンチ ヨシイチョウ ノ ジレイ

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抄録

高齢社会は21世紀の避けがたい課題として受けとめ、高齢者の生きがいと社会参加を真剣に考えなければならないことが今や共通の認識になりつつある。高齢者というとすぐに福祉の問題に関心が集まりがちである。しかし80%の高齢者は健康であり、自分の生きがいを求めてサークル活動などに積極的に参加し、こうした活動を通して主体的に地域社会にかかわっていこうとする動きが強まっていきつつある。そうした動向を岡山県中東部に位置する中山間地の高齢者を中心とする地域づくりの事例で検証する。中山間地では60歳代から70歳代の高齢者は地域社会において多数を占める年齢層であり、経済的には年金と農業で安定した生活を送っている。高齢者は自分自身の楽しみ、生きがいを求めてサークルに集い自己啓発を行いながら多くの仲間に出会い、地域課題に立ち向かう動きが見られる。そうした活動の組織原理は、従来型の伝統的な地域コミュニティ組織を基盤とするのではなく、共通の要求によって組織されたアソシエーション的組織を立ち上げて共同の活動を創り出し、その活動を通して周囲の地域住民を巻き込み、地域社会に一定の影響を与える方向に向かいつつある。今日、こうした高齢者を中心とした地域創生の活動は、人々の価値観を転換させ、社会の質を転換させる可能性を秘めているといえる。

高齢者の地域参加活動

identifier:DO003200006413

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