宋代江南における農耕技術史の方法的検討

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  • ソウダイ コウナン ニ オケル ノウコウ ギジュツシ ノ ホウホウテキ ケントウ
  • A Methodological Study of Farming Technology in Jiang-nan during the Song Period

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抄録

宋代江南における農業生産には、「唐宋変革」を支える高水準の農耕技術が存在すると考えられてきたが、生産関係、または商業活動の活発化に注目するあまり、農耕技術そのものを考察することが少なかった。農耕技術を「立地形成型技術」、「立地適応型技術」に分け、先行研究を見ると、前者は隔年栽培を行っていた「易田」、後者は耕地の自然環境を知る手がかりとなる水稲品種の栽培期間について、それぞれ検討が不十分である。また、高水準の農耕技術によって、宋代になると二毛作が普及・定着するというのが、これまでの定説であった。だが、当時の史料状況からすれば、二毛作を農耕技術の指標とするのは相応しくなく、さらには水稲作のみならず、畑作も含めて考察が可能な「田畑輪換」を指標とすべきと考える。この三点は江南農耕技術を明らかにする上で重要である。

宋代

江南

水利

水稲品種

二毛作

identifier:DB003900003078

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