平安文学におけるかな書道 : 『源氏物語』にみられる書道観と時代性

書誌事項

タイトル別名
  • ヘイアン ブンガク ニ オケル カナショドウ ゲンジ モノガタリ ニ ミラレル ショドウカン ト ジダイセイ
  • Kana Calligraphy in Heian Period Literature : Historical Context and the Outlook on Calligraphy in the Tale of Genji

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抄録

『源氏物語』において、書道に関する多くの記述がなされている。とりわけ梅枝の巻で、この時代のかな書道批評が、光源氏の言葉を通して語られている。これは、書道に造詣が深い紫式部ならではの書道観として、この時代の書風や様子を著しているのである。では、フィクションである『源氏物語』でのかな書道の扱われ方は、実際にこの物語が書かれた平安時代のかな書道と、どういった違いがあるのだろうか。書道史と比較しながら、検証していきたい。「よろづのこと、昔には劣りざまに、浅くなりゆく世の末なれど、仮名のみなむ、今の世はいと際なくなりたる。」(梅枝)これは、光源氏の言葉を通しての紫式部の書道観であるが、実際のかな書道は、まだこの時には絶頂期とは言い難いのである。本稿は、この時代の書道の捉え方、またかなの扱われ方、書道史上における『源氏物語』の位置を考察し、明確にしていくものである。

源氏物語

書道

かな

identifier:DB003900003096

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