郭沫若の大躍進政策期に於ける書法様式の類型とその背景について : 「漢詩」の分析を中心とした政治性及び建築と書法との照合

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タイトル別名
  • カクマツワカ ノ ダイ ヤクシン セイサクキ ニ オケル ショホウ ヨウシキ ノ ルイケイ ト ソノ ハイケイ ニ ツイテ : 「 カンシ 」 ノ ブンセキ オ チュウシン ト シタ セイジセイ オヨビ ケンチク ト ショホウ ト ノ ショウゴウ

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抄録

従来、場と時、目的、そして為書き、つまり与える人によって書き分けるという視点で、郭沫若の書風を分析されることはなされてこなかった。本稿では、大躍進期に於いて郭沫若の書風の傾向とその意味について、いくつか論究し、その結果として、第二期郭体は、個人の委嘱であっても、そこに政治的プロパガンダの意味合いが強いか、それが公共の建築に飾られることを意識されたケース、それらの共産党的な政治性の意味合いが強い場合に用いられた様式であることを確認した。取り分け、建国十年に及ぶ、共産党による建築ラッシュに伴い、それに相応しい書が求められ、郭沫若の書もその役割を担い変貌し、その姿態が第二期郭体に象徴され、第三期郭体へと展開する。特に博物館に於ける書は、郭沫若の学者的な素性、その学術行政者としての面からも、因縁浅からぬものであった。また公共性が少ないか、名跡を訪れ、歴史を詠った場合で、多く同志の委嘱で書かれた際は、第二期郭体の要素は些か減った体や、むしろ第一期郭体に近い復古ケースもあることも見た。

identifier:KG002500008819

収録刊行物

  • 京都語文

    京都語文 25 270-279, 2017-11-25

    佛教大学国語国文学会

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