サリンジャーにおける二元論的対立

Bibliographic Information

Other Title
  • サリンジャー ニ オケル ニゲンロンテキ タイリツ
  • Dualism in Salinger

Search this article

Abstract

本論文はJ・D・サリンジャーがその習作期からずっと悩まされ続けた二元論的対立の問題を取り上げ、その対立の問題がその後どのように展開していったのかを明らかにしている。精神と物質、芸術主義と商業主義といった対立の問題は彼の様々な作品でメインテーマとなっている。代表作『ライ麦畑でつかまえて』の成功まではその二者の対立に何らかの和解策を模索していたサリンジャーだったが、『ライ麦畑』の成功を機に、精神主義的、芸術主義的な方向へと大きく舵を切ってしまった。『ライ麦畑』による経済的成功と作家としての確固たる地位がそれを可能にさせてしまったのである。サリンジャーについてはいくつかの伝記が書かれているが、本論文はその伝記的事実に注目し、彼が作家としてデビューし、習作期を通して、成功し、衰退していく際に彼の人生に起こった出来事と彼の作品との関係を明らかにしている。

サリンジャー

二元論的対立

伝記

執着

identifier:BO009900007871

Journal

  • 文学部論集

    文学部論集 99 73-85, 2015-03-01

    佛教大学文学部

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top