LIFE SPAN-ヒトはどこまで寿命が延びるのか?

Bibliographic Information

Other Title
  • LIFE SPAN: How long does human lifespan extend?

Description

type:解説

最近,「LIFE SPAN 老いなき世界」(以下,「LIFE SPAN」と略)という本が出版されました.LIFE SPAN とはライフスパン,つまり寿命を意味します.著者の一人,デビッド・A・シンクレア(David A. Sinclair)氏は酵母の老化研究の過程でサーチュインという長寿遺伝子を発見しました.そしてその後の研究で,この長寿遺伝子がヒトも含めた全ての高等動物にも存在し,マウスでは長寿遺伝子を活性化することで,若返り効果だけでなく寿命の延長までも可能であることが示されてきました.「LIFE SPAN」の主要な観点の一つが,「老化は病気である」という点です.老化は病気であるから治療が可能であり,治療することで老化にともなうさまざまな病的な状態(たとえば,がん,糖代謝異常,脂質代謝異常,高血圧,脳や心臓の血管異常など)が改善され,その結果必然的に寿命が延びる,というのがこの本の趣旨です.本稿では,「LIFE SPAN」で紹介されている原著論文にも当たりながら,老化研究の最前線をかいつまんで紹介します.なお,この本には述べられていませんが,「長寿と性格-なぜ,あの人は長生きなのか」についても取り上げてみたいと思います.

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top