血管平滑筋由来泡沫細胞の形成機構に関する研究 : マクロファージと中膜平滑筋細胞相互作用の存在とその意義
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- Effect of Conditioning of β-migrating Very Low Density Lipoprotein with Macrophages on the Accumulation of Cholesteryl Esters in Smooth Muscle Cells
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動脈硬化病巣にみられるコレステロールエステル(CE)を蓄積した泡沫細胞の出現機構を検討した。病理組織学的検討からは,泡沫細胞の起源は中膜平滑筋細胞(SMC)とマクロファージに共に生じていることが観察されているが,マクロファージは変性低比重リポ蛋白(変性LDL)を取り込み,泡沫細胞化することが示された。しかしSMC由来の泡沫細胞形成機構は不明である。従来より内皮細胞とマクロファージ,あるいは内皮細胞とSMCなどとの細胞の相互作用を介した代謝機能調節が示されてきた。本研究ではSMCとマクロファージの細胞間相互作用を介したSMCへの脂質蓄積機構を明かにすることを試みた。SMCとマクロファージのco-culture系に本来マクロファージで代謝されるβ-migrating very low density lipoprotein(β-VLDL)を添加すると,マクロファージのみならず,SMCにも脂質の蓄積を認めた。これはSMCとマクロファージの細胞間相互作用を介したSMCへの脂質蓄積機構の存在する可能性が示唆された。その機構を検討するため[^3H]cholesteryl linoleate labeled β-VLDL([^3H]β-VLDL)添加培養液でマクロファージを培養したconditioned medium(標識Mβ-CM)をSMCに添加し,培養すると,SMCへの放射活性の取り込みは増加し,SMCのCE含量は増加した。このことからマクロファージにより生じた[^3H]β-VLDLの代謝産物がSMCに脂質蓄積をもたらしている可能性が推測された。次にこの代謝産物の性質を明かにすることを試みた。Zonal超遠心法で標識Mβ-CMを分析したところ,比重1.006(peak I)の他に1.150(peak II)にも放射活性のピークを認めた。このpeak IIはagarose gel電気泳動ではLDLに一致した泳動度を示し,CE(32%),free cholesterol(8%),phospholipid(46%)からなっていた。放射活性は[^3H]CE(80%)と[^3H〯
identifier:6
Journal
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- 千葉医学雑誌 = Chiba medical journal
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千葉医学雑誌 = Chiba medical journal 68 (1), 17-27, 1992-02-01
千葉医学会
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050570022160240128
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- NII Article ID
- 110006174656
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- NII Book ID
- AN00142148
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- ISSN
- 03035476
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- journal article
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- Data Source
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- IRDB
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