不法行為による損害賠償請求権の除斥期間の起算点について : 近時最高裁判決を題材に

書誌事項

タイトル別名
  • フホウ コウイ ニ ヨル ソンガイ バイショウ セイキュウケン ノ ジョセキ キカン ノ キサンテン ニ ツイテ キンジ サイコウサイ ハンケツ オ ダイザイ ニ
  • Beginn der Asuuchlussfrist des Schadenersatzanspruchs aus unerlaubte Handlung (art.724 jap BGB)in der neuesten Urteilen des japanischen Gerichtshofs

この論文をさがす

抄録

type:text

わが国の民法は724条で「不法行為による損害賠償請求権の期間の制限」について規定している。このうち、同条後段の法的性質については、「消滅時効」の採用を明言した同条前段を受けたはずの「同様とする」という文言を重視することなく、「法律関係を速やかな確定」という同条の趣旨に合致するとして「除斥期間」と解する説が戦後有力化し、それが平成元年の最高裁判決で判例となった。しかし、一般に時効制度のような中断がないとされ、上記平成元年判決が説くように、信義則違反や権利濫用という再抗弁による効力制限を認めないという「画一的な」権利行使期間である除斥期間を損害賠償請求権に適用することの弊害が指摘されている。そんな中、近時最高裁は「除斥期間説」を維持しつつも、被害者救済のため、今度は「不法行為の時」という同条後段の起算点について注目すべき解釈論を提示した。本稿は、その最高裁の起算点解釈を検討しつつ、更に進んで、「何が本当の被害者救済なのか」を考察する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ