芸術教育によるESDの可能性の探究-音・音楽による感性の開発-

書誌事項

タイトル別名
  • ゲイジュツ キョウイク ニ ヨル ESD ノ カノウセイ ノ タンキュウ オト オンガク ニ ヨル カンセイ ノ カイハツ
  • A Study of the Possibility of ESD through Sensibility:Based on the Practices by Sounds/Music Approach.

この論文をさがす

説明

type:text

ESD(Education for Sustainable Development)とは,「持続可能な開発のための教育」と訳される。2002年の国連総会に我が国は,2005年からの10年間を「ESDの10年」とする決議案を提出,採択された。ESDは,地球規模で推進されている今日の教育動向であるといえる。その目標としては,①持続可能な発展のために求められる原則,価値観及び行動が,あらゆる教育や学びの場に取り込まれること。②全ての人が質の高い教育の恩恵を享受すること。③環境,経済,社会の面において持続可能な将来が実現できるような価値観と行動の変革をもたらすこと,の3点があげられている。また,ESDで育みたい力としては,①体系的な思考力(問題や現象の背景の理解,多面的・総合的なものの見方),②持続可能な発展に関する価値観(人間の尊重,多様性の尊重,非排他性,機会均等,環境の尊重等)を見出す力,③代替案の思考力(批判力),④情報収集・分析能力,⑤コミュニケーション能力,の5点があげられている1)。私たちは,この動向をふまえながら,特に育みたい力の③代替案の思考力に注目した。現代社会において,とくに2011年に起きた東日本大震災以後,従来の知のあり方,および教育のあり方については,再考が求められていると言える。私たちの共同研究においては,代替案の思考力としての「感性」に着目した。感性による対象把握は,対象を「概念」によって固定的に捉えがちな私たちの知のあり方を揺さぶり,更新するきっかけとなり,きわめて大きな可能性を有していると考える。本共同研究では,芸術教育の中で展開されてきた手

本研究は,平成24~26年度科学研究費補助金(基盤研究C)「芸術教育による感性に働きかけるESDの構築-代替案の思考能力の育成」(研究代表者:神野真吾)による研究成果の一部である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ