「地域」から「領域」へ --一九六〇年代少年少女向け翻訳叢書における「教養」の転換--

書誌事項

タイトル別名
  • 「 チイキ 」 カラ 「 リョウイキ 」 エ : イチキュウロク〇ネンダイ ショウネン ショウジョ ムケ ホンヤク ソウショ ニ オケル 「 キョウヨウ 」 ノ テンカン
  • チイキ カラ リョウイキ エ - 1960 ネンダイ ショウネン ショウジョ ムケ ホンヤク ソウショ ニ オケル キョウヨウ ノ テンカン
  • From Countries and Regions to Genres and Topics: A Shift in Classification of World Books for Children in 1960's Japan

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抄録

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一九六六年から刊行が開始された講談社「世界の名作図書館」は、第二次大戦後の先行するいくつかの叢書に見られた「地域割り」の構成をとらず、新たな区分--八つの「領域」を立てるという方式を採用した。同時に、収録作品はフィクションにとどまらず、伝記やノンフィクションを相当数、含むものとなった。収録作品の傾向や翻訳のされ方、企画当初との変更から推測される翻訳事情、監修者の選定やカラーワイド豪華版の造本、配本開始から半年ほど付された巻末「解説」と「読書指導の手引き」、刊行当初に作製された別冊子等にも目を向けるなかで、本叢書が高度経済成長の只中で、一般家庭の母親を強く媒介者として明確に意識したこと、当時の関連雑誌に掲載された論考との関連の中で、翻訳をめぐる議論が種々かわされたことを確認するとともに、「世界」および「教養」の意識が、大きく変貌した様子を時代状況の中で捉えた。

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